訳あってトランクルームのフランチャイズの話を伺う機会がありました。
- トランクルームは投資・不動産の活用方法としてメリットはあるのか?
- メリットを得られるのはどんな条件か?
今回はそんな情報の共有を兼ねて記します。
トランクルームとは?
トランクルームとは、ザックリ言うと貸倉庫を個人向けに小単位にした保管用スペースのレンタルサービス。
住居では収まりきらない荷物や季節ものの衣類や道具を保管でき、スッキリした住まいで暮らせる。
また、そもそも住居に収まらないようなバイクや(サイクリング用など使用頻度の少ない)自転車、サーフボード・スノーボード・スキー板やキャンプ用品などの保管用としても使うメリットがあり、ここ数年、事業としても拡大を続けている業種です。
不動産の活用方法、投資としてのフランチャイズ経営も注目されているビジネスです。
コンテナ型とルーム型、節税効果と収益性のメリット比較
トランクルームはかなり以前から見られるモノでした。
特に土地活用のひとつとして簡単に設置が可能なコンテナ型トランクルームが以前からの印象としてはあるかと思います。
ただし、ここ数年このコンテナ型トランクルームはあまり増えていないそうです。
それには理由があり、空き地に持ってきたコンテナを移設しただけでは”不動産”としてみなされず、節税の面でのメリットが得られにくいという理由があるそうです。ここ数年で国・自治体の評価基準の方針が明確になってきたようです。
それに代わって増えているのが専用の建物を建設して行うトランクルーム。
多いのは2F~3F建ての(窓の少ない)建物で、住居用ではないので建築コストは抑えられます。
コンテナ設置型に比べると倍以上の初期費用が必要になりますが、トランクルームとしての専用設備になり競争力・顧客獲得力は高められるメリットもあります。
その中間としてマンション、もしくはテナント物件をトランクルームに転用するパターンもあります。
トランクルームが多いのは人口の多い地域?
トランクルームが多いのは東京・大阪を代表とした人口の多い地域です。
しかしもう少しミクロに見ると違った見方もできます。
トランクルームの需要は一時不要物の保管が目的にあるので、住居に保管場所が確保しにくいことが需要を起こす条件になります。
となると、単純に人口の多い地域というよりも人口密度の高い地域が狙い目です。
しかも、賃料を追加で払う必要があるため、ある程度家計に余裕のある層が顧客ターゲットになります。
というわけで高級住宅街など家計に余裕があっても十分に広い家に住まわれている方の多い地域には需要は多くないものと考えるのが無難でしょう。
(そのような地域は地価・賃料相場も安くないので普通賃貸として運用するのがリスクとしても妥当かと思います。)
投資ターゲットしての使い方
土地や物件を保有している場合はその活用方法としてトランクルームが考えられますが、何もない状態から土地・建物を購入・建築したり賃貸して経営することもパターンとしてあります。
トランクルームの投資的観点からのメリットは必要な投資額が大きくないこと。
特に上記のように物件を賃貸し経営する場合は什器類やフランチャイズ加盟料(フランチャイズで経営する場合)などで500万円前後から始められるとのこと。
もちろんその場合は賃料が毎月費用として出ていくので利益は圧縮されてしまいますが…。
違った観点で見ると、賃料相場の高い地域で物件を保有している場合はトランクルームとして運営するより普通賃貸とした方が運営メリットは得られやすいのが実情で、トランクルーム用の什器などの初期投資が必要な割に売上を増やす効果は大きくないと言う捉え方もできます。
トランクルームとして貸し出す料金は、相場の目安として¥15,000~¥10,000/坪・月。
フランチャイズのブランド力だったり、立地によりけりで高い・安いもありますが、結局人口密度の高い、需要の多い場所であれば価格設定も高くできます。
この辺りのこと、普通に賃貸とする場合との傾向の差を確認することでトランクルーム経営のメリットを明確にする必要がありますね。
まとめ
相続などで土地を持て余している方には資産活用として
「トランクルーム経営は儲かる!」
と飛びついた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしその結果はどうだったか?
しっかり経営が進み、高い利回りで運営されている方もいらっしゃれば、顧客が集まらず当初の経営計画とは程遠いものになっている方もいらっしゃるでしょう。
世の中に「トランクルーム」なるものが存在するということは、それが経営として儲かる手法なのであることは間違いありません。
しかし、それが「どこでも」「だれでも」儲かるものかと言うと、それは間違いなくそうではないです。
と言いながら、立ち返って「不動産大家業」に関して言う場合もそれは同じですね。
どこに物件を持ち、どのように経営していくか?
それは経営者の手腕によるものでもあるでしょうし、物件そのものの特性にもよるでしょう。
経営者が採れる選択肢は無限にあります。
狭い視野に絞ってしまうことなく、広く視野を拡げることで
可能性も大きく拡がるはずです!